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著者の高山 宏は、1947年岩手生まれの明治大学の先生。羽鳥書店の「はとり文庫」から明治という時代のなかで日本を漱石がどうとらえていたか、授業のライブ感もあり読書の醍醐味をうまく表現している。特に、最後まで先生と付き合い、読み方を深めていった学生たちが印象に残る。

いまどきあまりはやらない人文書中心の出版社。これまで聞いたことがないので、ホームページを調べてみると
『東京大学出版会を2009年3月末に定年退職した編集者を代表に、同じ編集部で一緒に仕事をしていた編集者、同じ東大構内の大学生協書籍部で書店員をしていた現・営業担当者、以上3名で、2009年4月に始めた出版社です。その後、2名を加えて、現在総勢5名。2009年7月に創業出版3点を刊行。以降、法律・美術・人文書を中心に幅広い出版活動をおこなっています。
羽鳥書店のロゴタイプ・ロゴマークは、原研哉さんにつくっていただきました。』
とある。

高山先生の『新人文感覚1』『新人文感覚2』は、2冊合わせて2万5千円。個人で買われる方は、あまり多くなさそうなので、一般書籍でベストセラーにならなくても、大学図書館を中心にして500~1,000部(国公立150校、私立を含めると700校前後)程度の売り上げ目標としているように感じる。紙の本の市場は、新書や文庫が中心になって久しいが、こんなしっかりした本を出す出版社は、珍しく、あと10年くらいは頑張ってほしい。

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