講談社学術文庫から今年8月発行された「標準」についての本です。著者は、東大の橋本毅彦教授。
戦争の際の武器の大量製造と壊れた武器の修理のために、ルネサンス以降フランスで標準化がすすめられた状況やアメリカ独立戦争、第1次世界大戦を経てアメリカで標準化が進んだ状況など興味深い内容です。
特に「テイラー主義」の科学的管理法の内容の箇所は、標準課業の定め方やそれを作業者に守らせるための4つの原理、それらと労働組合の関係も書かれていて、それぞれの立場の考え方がうかがえました。
日本については、太平洋戦争では標準化を実現できず、朝鮮戦争で米軍向けの製品作成の際に標準化が大きく進んだことやトヨタのかんばんについてなど知ってるつもりのことでしたが改めて確認できました。
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