三分一です
昨年末、筑摩書房の熊沢さんから1月出版予定のこの本を頂きました。ちくま学芸文庫から出された700ページ近い本です。
中華人民共和国史十五講
著者は、天安門事件で逮捕された王丹(おうたん)現在は、台湾清華大の客員教授。翻訳は、東アジア出版人会議(元みすず書房社長)の加藤敬事さんです。
中華民国の誕生以降の現代史は、あまり一般に知られておらず、朝鮮戦争、文化大革命、造反有理、4人組、天安門事件、改革開放など断片的なキーワードと毛沢東、林彪、鄧小平、などの有名人の名前だけを記憶しているだけでした。70年代の大学受験のときに深夜放送に混じって聞こえていた中共からのラジオ放送や90年代末に初めて大連や北京のソフトハウスと仕事をしたときに鄧小平のポスターが各所にあったことなども思い返しながら、本書を読み進めました。
ここでは、歴史の背後でかわされた思いについても最新の情報から読み解かれており、時代認識を新たに出来ました。印象的なエピソードがいくつもあり、「そうだったのか」と気づかされる事も多い本です。500ページあたりからの6・4天安門事件の記述は、当事者が王丹であり、それぞれの場面が目に浮かんできます。80年代の以降の民主化に対する精神的な背景を理解する事で、現在おこりつつある状況をより深く理解する事が可能になると思いました。
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