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2001年7月29日
わたしの職場は郊外にあってまだ木々の緑が残っているところだ。そのほとんど人目に付かないような木々の間の草むすところに、先日、浮浪者が入り込んでいるのが見つかった。第一発見者の一報で私もすぐに見に行くと、全裸の男が地面に寝そべって枯れ枝をいじっている。ただの浮浪者というよりも一見して異様な感じがして、総務課に連絡して警察に来てもらう。警官が駆けつけてきたときには、その男は立ち上がって木の葉っぱをむしりとっていた。素っ裸のまま泥があちらこちらについている。警官のひとりが「これは普通じゃないな、マルセだな」とつぶやいた。マルセの意味はわからないが警察の隠語だろう。職務質問をしてそのまま連行。私たちも普段の仕事に戻る。それにしても日常の中に異質なものが出現すると驚くものだ。

2001年7月21日
最近話題の映画「AI」(スピルバーグ監督、ハーレー.J.オスメント主演)を見に行った。人気があるのは間違いないようで、暑い中を30分ほど待ってから入場、さて映画の内容はというと何とも表現しづらい内容であった。多くのことがあまりに盛り込まれてしまっているので一言でいえないということだろう。深読みをしようと思えば際限なく深読みができる映画だ。
月が大きく出現する場面では同じスピルバーグ監督の「ET」の場面を連想させたし、ロボット狩りをして不要のロボットを粉砕するという場面では「シンドラーのリスト」のユダヤ人狩りを思い出させた。映画の最後の方は2000年後の話に飛ぶのだが、私の感じでは長く伸ばしすぎて無理があるなあという印象をうけた。その前で打ち切っておけば観客の想像に任せる部分がさらに多くなったことだろう。
一口で表現できないというところがこの映画の特徴だな、うん。

2001年7月15日
この前の夜ふと空を眺めると、南の空に赤い星がひとつ輝いているのを見つけた。「あの方角の星は蠍座のアンタレスだろうか、それにしても赤すぎるなあ」と思ってきのう本屋で天文雑誌を立ち読みすると、火星であることが判明。火星が大接近をして少しずつ離れている時期だそうで、それでもマイナス1等星くらいの明るさらしい。どおりで目立ったはずだ。
夏の夜静かに星空を眺めるというのもいいものだが、最近の猛暑ではそんな気にもならない。そもそも夏は湿度が高いので星はほとんど見えないのだ。この文章を書くのも暑さで大儀になってきたので、これにて終了。渋谷のプラネタリウムの話も書こうかと思ったが、また、別の機会。
                                        
2001年7月8日記
この前の4日の夕方、東京スタジアムで行われたラグビーのパシフィックリムチャンピオンシップの日本対サモア戦を見に行った。今年のパシフィックリムチャンピオンシップは、日本、サモア、フィジー、カナダの4カ国で争われる大会となっている。
5万人収容のスタジアムであっても観客はまばらで、ざっと目分量で見ても1万人くらいだろうか、シートの2割か3割くらいしか埋まっていなかった。同日の同時刻に大分総合競技場で行われたサッカーのキリンカップではあふれんばかりの満員の入りなのに、ラグビーとサッカーとでは人気にずいぶんの差があるようだ。これでもラグビーの日本代表の試合なのになあと思いながら観戦。
試合そのものは日本の大敗。最終スコアは、日本 8-47 サモアであった。試合前の両国国歌の演奏の時にメンバーの中には興奮のあまり涙ぐんでいる選手も見かけられて、気合いが入っているのは感じられるのだが、選手のスピード、パワーに差があって、どうしようもない。サモアという南の小国にどうしてこれほど優れた選手がそろっているのか全く不思議というしかないが、もう一つ出ている南の小国フィジーも強い。カナダを下してサモアとの決勝戦となった。
ラグビーの日本代表の監督が平尾(神戸製鋼)から向井(東芝府中)に変わってもそう簡単には日本代表が強くなるわけではない。個人的には平尾のファンであるのでもう少し代表監督をやらせてもらいたかったと思うのだが、結果が出なければ仕方がない。イマジネーションを大切にする平尾の考え方が受け入れられなかったということだ。サッカーの監督は世界的に見て監督請負人のような人が何人もいて、各国のサッカー監督を引き受けているけれど(トルシエのように)、ラグビーの監督はそういうことはないんだろうか。少なくとも日本においてはサッカーよりもラグビーの方が閉鎖性が強いんだろうなあと思いつつ観戦をしていたのであった。

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