2002年2月24日
日本の近・現代史をルポルタージュの方法で書き表している半藤一利という作家がいる。数ある著作の中で、太平洋戦争開戦日である昭和16年12月8日前後の日本の政府、軍部、米国政府などの動きを克明に追った「真珠湾の日」という本を読む機会があった。なるほどそうだったのか、という内容であるのだが、その中で特に「へー、そうなのか」と思ったところがある。日本政府から米国への宣戦布告の電報についてだ。厳密には、宣戦布告ではなく、それまでの交渉の打ち切りを宣言する最後通告のようなものだったらしいが、相手方に手渡すのが遅れて、真珠湾攻撃が卑怯な奇襲攻撃とされたという件だ。
このように重要な電報であれば当然専用の回線で外務省からワシントンの日本大使館に送られていると思っていたけれど、実際は、アメリカの民間電信会社を通して大使館に送られていたとのこと。中身は暗号化しているのでわからないとは言え、歴史を変えようとする機密電報が
「ハーイ、電報ーッス」
といろいろな電報に混じって届けられていたと思うと、不思議な気がする。
2002年2月17日
春を感じる今頃の季節は花粉症の季節でもある。去年ほどひどくはないようだが、ことしも目がしょぼしょぼとしてきている。花粉症というのは昔からあったんだろうか。あることはあったけれども、花粉症という名前が広まっていなかったから特に気がつかなかっただけだろうか。名前がつくと認識をあらたにするということはあるだろうね。難しく言えば、「言葉による定義付けによって事象の概念化を促進し、認識程度の深化を図ることが可能だ」というようなことだろう。
「最近、どうもイライラとしてね」
「それは男の更年期じゃないか」
「どうも寝付きが悪いんだ」
「それは不眠症の初期症状だよ」
「代わりに昼間は眠いんだ」
「代替性睡眠欠乏症だね」
「でも食欲は旺盛でね」
「きっと食欲過大症だよ」
勝手な名前を付けるともっともらしく聞こえるものだ。
2002年2月11日
わたしはクラシック音楽はあまり聴かない。そうはいっても好きな曲もいくつかある。メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲もその一つだ。CDではスターンとフィラデルフィア交響楽団の演奏のものをよく聴いている。
先日、市のアマチュア管弦楽団の演奏会でメンデルスゾーンのバイオリン協奏曲をやると聞いたので自転車を蹴って聴きにいった。バイオリンの客演は川畠なにがしという盲目のバイオリニスト。よく知らないが有名な人らしい。
アマチュア楽団の演奏レベルについては、私の方でどうこう言えるものではない。フィラデルフィア交響楽団と比較するのは酷というものだろう。こういう場合には音だけではなく目で楽しむということが必要だね。バックでチェロやバイオリンの弦を陶酔した面もちでせわしなく動かして音を奏でているという雰囲気は見ているだけでもいいものだ。いい冬のひとときだった。
2002年2月3日
毎日の仕事はメールの確認から始まる。先週の29日(火)にいつものようにメールを確認すると、知人から怪しげなメールが来ている。先ずタイトルが英文となっている。本文を見ると、添付ファイルに面白いパーティの写真が入っているよという内容だ。めちゃくちゃ怪しいので直ぐに削除。その日の午後のインターネットのニュースでその種のウィルスメールが広がっていると報道されていた。以前にもウィルス付きのメールが来たことがあったけれどもその時は職場の電算システムのファイアウォールで事前に検知されていた。今回のメールはファイアウォールを通り抜けてきたようだ。用心、用心。
変なメールもそうだけれども、最近はマンション経営などの勧誘電話が頻繁にかかってくる。仕事の話はメールで済ませることが多いので電話の使用頻度が格段に減っているけれども、その種の迷惑電話はかえって増えている。電話用ファイアウォールみたいなもので事前にシャットアウトできないもんだろうかね。
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