2018年春、ならまちにあるギャルリ・サンクで大版画家・坂爪厚生先輩の個展が開かれました。
4月15日、最終日でしたが、はるばる横浜から三分一信之氏がかけつけ、井上も久しぶりに坂爪先輩と作品に会いに行きました。
先の記事に、三分一氏が書いていたように、メゾチントであらゆる質感を描くことのできる坂爪さんが、旧作と並んで、質感を消して、かたちと余白という造形の基本要素に絞り込んだ新作を並べていて、新たな展開にふれることができました。
坂爪さんは、寓意的なイメージによる社会派作家として世界的に著名ですが、イメージに頼らないたしかな造形感覚が根底にあって、それがしたたかな展開を支えていることがわかります。浮遊するシンプルでふしぎなかたちは、人を引き込んでやみません。
大芸術家というのは、できあがったスタイルにしがみつかず、それを内側から壊して変化をやめないものですが、坂爪さんにもそのことを感じます。
同じ美術道を歩まんとする井上は大きな刺激をもらいました。
記念撮影。ギャルリ・サンクは、坂爪さんの横に座る京女絵画部出身の高市俊子さんの画廊で、こけら落としは井上明彦の個展「ふたしかな屋根」でした。その横の青年は、奈良県議の中川たかしさん。話してびっくりしたのは、中川さんは京大経済学部出身で坂爪先輩の娘さんの後輩とか。
さらに驚いたのは、学生時代は吉田寮に住んでいたそうです。三分一氏も井上も吉田寮に住んでいたので、奇遇と言えます。世間は狭い。
中川さんには、芸術にも見識のある政治家になってほしいと言っておきました。
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