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2010年06月27日
参議院選挙が始まって街頭が慌ただしくなっているなか、辻井喬の「茜色の空」を読んだ。大平正芳の生涯を辻井らしい落ち着いた筆調で書いているのだが、どうも真実なのか嘘なのかよく分からない部分があって混乱する。冒頭に「この作品は、事実を取材し、実在の人物の行動・発言を基に小説的に再構築したフィクションである。」と断っているので文句は言えないが、それにしても虚構が事実の中に埋められてしまっていると、読者としては大平正芳の人となりは本当にそうだったのだろうかと疑問が残る。残るどころか大いに不満だ。はっきりと嘘と分かるような話であればこちらも了解するが、事実すれすれの虚構であると、それとは分からないまま本当なのかと理解してしまう。絶対にこのような小説スタイルは止めるべきだと思う。

2010年06月20日
梅雨に入って急に暑い日が続くようになった。というわけでヨドバシカメラでエアコンを購入。午前中のまだ空いている時間帯に行き、機種選定はすんなりと決まったものの、工事内容をどうするか、5年間の延長保証をどうするか、クレジットカードでの支払のときのヨドバシのポイントがどうなるか、国で行っているエコポイント申請をどうするかでいろいろと説明を受けたりして時間がかかった。エコポイントの件は昨年の液晶TVのときに大変だった記憶があるので、店の方で代行してもらうことにした。相手をしてくれたのがまだ研修生の名札をつけていた若者で、面倒な作業をご苦労様でした。
           
2010年06月13日
国立新美術館で開催されている「オルセー美術館展2010」は、評判が高いだけあって観客が溢れている。それは覚悟の上で見に行った。印象派とポスト印象派の作品が並んでおり、それぞれ見応えがある。とくにセザンヌの絵は色調は重厚なのだが、よく見ると絵の具は薄塗りだ。薄塗りで存在感を出すというのは構成がしっかりしているからだろうと思う。薄塗りで彩度を抑えながら重ね描きをしていくテクニックを身につけたいと思っているのだが、実際は難しいものだ。絵の具の乾く時間も考慮しなければならない。

2010年06月06日
西日本は旧来より気候に恵まれて農業が発達し、そのためか地主と小作との差がそれほど大きくなかったものの、東北地方はその差が大きく、数少ない大地主が君臨するような風土であったらしい。誰かの本で読んだ記憶がある。
平野政吉というのは秋田の大地主の出身らしく、金にあかせて(というと語弊がある、もちろん美術眼が高いというのは言うまでもない)、藤田嗣治のパトロンとなり、その作品も数多く収集して、いまでは平野政吉美術館として藤田のまとまった作品を見ることができる。ただし、その美術館は秋田県立美術館の中に所在しているのでわかりにくい。と言うか秋田県立美術館が平野政吉美術館に間借りしているのが実態だ。このわかりにくさも少数の大富豪が藩政を左右していたことの残滓だろう。
制度的なことはともかく、美術館の中の照明が普通の蛍光灯だけというのは、絵の発色をみるには全く不都合きわまりなく、何とかしてもらいたいものだ。
          

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