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2010年10月31日
猛暑の夏がすでに遠い昔のように思い出されて、いつの間にか暖房が必要な季節となった。庭に幾つか蒔いておいた聖護院大根を収穫したら、肝心の根っこの方は十分に太くなっていなかったが、葉っぱは綺麗に育っていたので油炒めとなって食卓に上った。この聖護院大根の種の袋をよく見ると、生産地はイタリアとなっている。てっきり京都か少なくとも日本のどこかと思っていたがそうでもないようだ。園芸店に並んでいる種の原産地を気をつけてみるようになった。こういうのは農産物交渉の対象なんだろうかね。

2010年10月24日
東京駅の近くに三菱一号館美術館という復古調の建物が新しくできて、岩崎家ゆかりのコレクションが陳列されている。近代西洋美術でモネやらルノアールやら、日本画壇で言えば黒田清輝、山本芳翠、梅原龍三郎など。でも近代絵画コレクションのレベルは全体にイマイチ。それよりも古典籍がすばらしい。1774年の「解体新書」の原本がある。高校の日本史の授業で習ったものが目の前にあるというのも不思議なものだ。思わず挿絵の解剖図の精密さに見とれてしまうが、隣にはその種本の「ターヘル・アナトミア」がある。同じ解剖図でもこちらの方が遥かに細密だ。ターヘル・アナトミアの方は銅版画で刻んであるが解体新書の方は木版だろう。その違いが細密度の違いにはっきりと出てしまっている。本物を真似ての輸入文化の限界だと思った。
          
2010年10月17日
古書店ブックオフで木村尚三郎「世界の都市の物語 パリ」(文藝春秋1992年)を買った。おお、芸術の都パリ、麗しの都パリ、それに2000円の定価のものが105円だったので拾いものだ。家に帰ってから早速読み始めると、これが全くひどい内容で直ぐに放り出した。要するにパリへの無条件の礼賛だ。
「白黒の区別をつけず、よそ者と地元の意識を持たず、誰もが集い、生活を楽しむナンバーワンの世界都市、それがパリである。」
という類の文章が次から次に出てくる。それでは余りに気が引けるのか、途中に古典からの文章を引いて教養の高さを醸し出そうとしている。しかし、基本的に手放しの提灯記事か、さもなければ一杯気分の年寄りの自慢話を聞いているだけの本であった。105円の価値相当の本であった。

2010年10月10日
東北新幹線の栃木県小山駅を過ぎたあたりで東側に鉄塔が乱立しているのが見える。チェコのプラハは狭い市内に教会が建ち並んで「千塔の街」と言われるそうだが、その例にならえば小山市は千塔の鉄塔の街だ。小山変電所が近くにあるらしい。何本も通っている線の一つ一つに名前がついているようで、栃山線とか犬伏線とかあるらしい。それが面白いという鉄塔マニアもいるようだが、民家の密集しているなかで高電圧の鉄塔が林立しているのが本当にいいのだろうかと大いに疑問に思った。その下で暮らしている人たちには何も起きていないのだろうか。
         
2010年10月03日
博多-北九州間は新幹線ならば20分足らずだが、快速だと1時間15分くらいかかる。特急ならば50分くらいらしい。新幹線の自由席ならば乗車券もいれて2050円、特急ならば1750円、快速ならば1250円という値段だ。新幹線は走る線路が違うのでそもそも乗車料金が安いらしい。という細かいことは、その場になるまで知らなかった。結局、往路は新幹線、帰りは快速という路程をとった。北九州から快速でいくと、途中で八幡、黒崎、折尾という駅名が出てきて懐かしかった。学生時代に、当時まだ高炉のあった新日鉄八幡で工場実習をしたことがあって、そのときの実習生仲間とそのあたりを歩き回ったことがあった。今はもう高炉もないし様変わりだ。

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